以前、浴室のカウンターについたガチガチな水垢の落とし方をご紹介しました。
【FRP】浴室のカウンターについた頑固なウロコの落とし方。
我が家のバスタブには、これと同じぐらい頑固な水垢があります。
そこで、今回は「洗浄剤だけ」で頑固な水垢をどこまで落とせるのか?
検証してみました!
水垢の状態。
バスタブの縁についている水垢がこちらです。
我が家は築19年目。
水垢も筋金入りです。
Step1. 茂木和哉 キッチン用。
まずは、「茂木和哉 キッチン用」を試します。
正確には、洗浄剤ではなくクレンザーなのですが、
市販で手に入る水垢落としとしてはかなり優秀なので、試してみます。
通常の「茂木和哉」との違いは、プラスチックに使えるかどうかです。
「キッチン用」は、プラスチックにも使えるように研磨剤の粒子が小さくなっているので、
樹脂製のバスタブにも使える希少なクレンザーです。
「超人たわしZ」で擦りながら塗り広げていきます。
30分ほど放置します。
「キッチン用」には、水垢に有効な成分も配合されているので、
少し放置をすることで水垢が柔らかくなります。
30分経ったら、再度擦ります。
やっぱり「キッチン用」はよく落ちます。
比較的新しい水垢は瞬殺でした。
(肝心の写真を撮り忘れました。すみません。)
Step2. 業務用酸性洗剤。
次は、「業務用酸性洗剤」を試します。
残念ながらこちらの商品は廃盤になってしまったので、
成分が似ている「水垢つるりん」か「テラクリーナーヤマトEX」をおすすめします。
この2つの中身(成分)は全く同じなので、どちらを使って頂いても大丈夫です。
水垢に垂らして、
擦りながら塗り広げていきます。
5分ほど放置します。
5分経ったら、再度擦ります。
「キッチン用」よりは落ちましたが、まだまだ手強いです。
Step3. 業務用酸性洗剤+茂木和哉 キッチン用。
次は、「業務用酸性洗剤」と「キッチン用」を混ぜて使ってみます。
「業務用酸性洗剤」で水垢を柔らかくしながら、「キッチン用」の研磨剤で削り取る作戦です。
成分的には混ぜても問題ありませんが、自己責任で行っています。
「業務用酸性洗剤」を垂らして、
「キッチン用」を「超人たわしZ」に取り、
混ぜながら擦っていきます。
それぞれ単体で使用した時よりも効果がありました!
しかし手強いです。
Step4. フッ化アンモニウム。
ここで、「シリカスケール」の可能性を疑って、
フッ化アンモニウム配合の洗浄剤を試すことにしました。
シリカスケールとは?
水垢は、主に3種類あります。
カルシウムスケール | 水道水に含まれる「ミネラル分」が蒸発を繰り返す事で出来ます。 |
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酸化鉄スケール | 水道水に含まれる「鉄分」の酸化によって出来ます。 鉄分の多い地域や温泉で見られます。 |
シリカスケール | 水道水に含まれる「ケイ素」と酸素の結合によって出来ます。 非常に硬く、ガラスに付着しやすいのが特徴です。 |
見た目が同じ白色の水垢なのに、非常に頑固な水垢があります。それが「ケイ酸カルシウム」です。 シリカスケールと呼んだりします。 (中略) 水垢は、全て酸で分解できそうに思われがちですが、ケイ酸カルシウムは分解できません。(中略)では何で分解できるのか? それがフッ化水素酸です。いわゆるフッ酸です。 (中略)フッ酸の仲間に「フッ化アンモニウム」というものがあります。 それでもケイ酸カルシウムを分解できるのです。
つまり、特定の酸にしか反応しない特殊な水垢があるのです。
こちらの商品も廃盤になってしまったので、
以下より「フッ化アンモニウム」と明記します。
また、先にも紹介した「水垢つるりん」と「テラクリーナーヤマトEX」にも、
「酸性フッ化アンモニウム」が配合されているので、今試すならこのどちらかです。
「フッ化アンモニウム」を塗り広げて、
5分ほど放置します。
本当は5分のつもりだったのですが、
急用が入ってしまい、1時間放置することになってしまいました。
急いで作業に戻り、再度擦ります。
幸い、素材への影響はありませんでした。
結果は、今までで一番落ちました!
ただ、「シリカスケール」ではなかったようです。
Step5. 茂木和哉 尿石落としジェル。
最後に試すのは、茂木和哉「尿石落としジェル」です。
「お風呂にトイレ用?」と思うかもしれませんが、
実は、「尿石」と「カルシウムスケール」は、どちらも同じ「炭酸カルシウム」なのです。
主成分は、カルシウムスケールに最も効果があるとされている「塩酸」で、
あの「サンポール」をも上回る9.9%配合されています。
擦りながら塗り広げて、30分ほど様子を見ます。
何故30分かというと、この洗浄剤は凄く粘度があるので、
水垢に浸透するまで時間がかかると思ったからです。
粘度が高い洗浄剤のメリット・デメリット。
洗浄剤の中には、粘度の高いものがあります。
例えば、トイレ用の洗浄剤はほとんどそうです。
成分で言うと、「増粘剤」がそれに当たります。
メリットは、液ハネのリスクが少なく、汚れに密着しやすいことなのですが、
「浸透力が弱い」というデメリットもあります。
なので、少し長めの30分にしました。
しかし、あまり変化がなかったので、最後のStepへ。
Step6. 尿石落としジェル+業務用酸性洗剤
最後は、「尿石落としジェル」と「業務用酸性洗剤」を同時に使ってみます。
「塩酸」と「業務用酸性洗剤」を合わせることで、洗浄力をアップさせる作戦です。
成分的には混ぜても問題ありませんが、
酸焼けや素材が痛むリスクも高まるので、最終手段にしたほうが良いです。
「業務用酸性洗剤」を塗り広げて、
上から「尿石落としジェル」を塗ります。
混ぜながら塗り広げたら、1時間ほど放置します。
どちらの洗浄剤も粘度があることと、水垢の状態から、
1時間が素材に影響の出ないラインだと判断しました。
1時間経ったら、再度擦ります。
その結果がこちらです。
今までで一番効果がありましたが、
残念ながら、洗浄剤だけでこの水垢を落とすことは出来ませんでした。
おそらく、これはトップコートが劣化している可能性が高いです。
トップコートとは。
樹脂製のバスタブのほとんどは、「FRP(繊維強化プラスチック」という材質です。
FRPとは、樹脂とガラス繊維を混ぜ合わせた物で、
その上から塗装・コーティングがされています。
つまり「層」になっているのです。
そのコーティングされている一番上にある層を「トップコート」と呼びます。
トップコートの寿命は、条件によって変わりますが、約10~20年と言われています。
我が家はそのトップコートが寿命を迎えていたのだと思います。
何らかの要因で徐々に摩耗して行き、
「そこに頑固な水垢が蓄積していった状態」だと推測しました。
なので、この水垢を落とすことは、トップコートを削ることと同義なのです。
後日、水垢を研磨して落としてみましたが、
水垢がなくなった辺りで、中の「ガラス繊維」が浮き出て来ました。
ここまで削ってしまうと、「再塗装」を検討したほうが良いですし、
最低でも「コーティング」をしないと、またすぐに水垢が付着してしまいます。
翌年に「コーティング」を行ったら少しマシになりました。
コーティングの詳細は、
浴室コーティングには「バスブライト・プロ」がおすすめ!
をご覧下さい。
終わりに。
洗浄剤だけで落とせないか、色々と試してみたのですが、
寿命を迎えたトップコートに出来た水垢は無理でした。
検証結果は、
表面についた水垢であれば落ちるが、
劣化したトップコートの上に出来た水垢は落とせない。
と、なりました。
また、強い洗浄剤を何度も使うと、
素材にダメージが蓄積されていくので、使用は最小限にして下さい。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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